理容文化 「道しるべ」より

 「仏作って魂入れず?」

 

業界誌 理容文化全国版の道しるべというコーナーに原稿執筆しました。

ぼくたち理美容業界のオーナーに向けての提言ですので内容は業界ネタ

になっていますのでそのつもりでお読みくださいね!

横浜に行ったときの話です。

月刊の業界誌

今までにもずいぶんいろいろ

仕事させていただき

お世話になりました。

「道しるべ」のコーナー誌面より

                

     道しるべ

仏作って魂入れず? 

                               京都 村瀬史朗

横浜と聞いてまず連想するもの・・食い意地の張っている私はやっぱり中華街だった。

以前その横浜に行ったとき迷わず空いた時間を見計らい中華街に直行した。

どこのお店がおいしいかわからないので、「やっぱり有名店が無難かな?」と思い友達と入ったのは某有名料理人の立派なお店。

店内には堂々としたその料理人のポスターまで貼ってある。

無類のラーメン好きとしては中華街でどんなうまいラーメンがでてくるかワクワクしながらテーブルについた。

が、ふと気付くとどうも店内の雰囲気がおかしい・・観光客っぽいお客さんは結構入っているのだがなんかお通夜のように

みんな元気がないのである。

しかし、その疑問も料理が出てきてすぐに解けた。まずいのである。それもびっくりするほど・・

一口食べて「え??」とおもった。ラーメンはまるでお湯に醤油をタラッと落としただけのようで味がない「なんじゃコレ」

とおもったが我慢。しかし一緒に注文したチャーハンはなんと冷たいのである。

いままでどんなお店でもさめたチャーハンが出てきたなんて記憶にない。

さすがの私もコレには我慢ならず店員を呼んだ。

「これ、今作ったの?」

「はい」

「つめたいんやけど」

「はあ、言ってきます」

といって厨房に持っていった。そして、しばらくしてまた持ってきたがなんとまたぬるいのである。

おまけに上にのっているミックスベジタブルが明らかに炒めた形跡がないほど冷たいのだ。

ガックリきてやっぱり私たちもお通夜のような食事になってしまった。

こんなところに観光で来たらがっかりもいいところだ。おまけにカップルでなら一気にしらけてしまい男の面目丸つぶれ・・

そこで帰りの清算のとき、あまりに腹立つので一言文句言ってやろうと「ラーメンね〜」と切り出すとそのレジの店員は

間髪いれず「あ、味薄かったですか?」だって・・

店員もどうやら店内お通夜のわけがわかっていたようだ。

オーソドックスにラーメンチャーハンでいったが他の料理も大体察しがつくというもの。

どうしてこの店員も自分のお店がお客様に喜ばれていないのにほっとけるのか私には理解できなかったが所詮は

店に愛着がないのだと思った。そして、場所柄ほっといても観光客が来る場所だからオーナーや料理人がそれに甘んじ

成長を止めてしまったのだろう。

しかし、かわいそうなのはそんな中華街でもよくしようとがんばる職人魂を持った料理人の店だ。(そんな店はあるはずだ。)

あんなにお店があってもそんなダレた店が数軒あるだけで全体がそう見られてしまうのである。

マズイもんで腹をふくらましてしまった後悔と腹立ちのまま夕方には新横浜のラーメン博物館に立ち寄る事になった。

   
入館するのにもお金を払わねばいけない上、ここも名所になっているのでお客には不自由していない、

またなんかイヤなムードである。(たいした事ないのか?)

しかし、結論から言うと「もう一度行きたい!」なのである。ここのエネルギーはすばらしかった。

ラーメン屋はもちろんどれもおいしかったがそれだけではない。博物館のスタッフみんなが一丸となって

来館客を喜ばそうとしているのがヒシヒシと伝わってくるのである。

館内の作りも本当に細部にまで気がまわっていて、さながらディズニーシー級の完成度の高さだ。

誰もいない館内セットなのにあたかもその中でくつろぐ家族の光景が目に浮かぶようだったり、

タバコ屋のおばちゃんの格好をしている女性スタッフの顔にはシワまでちゃんと書いてあり、

あとでチラシを見てわかったが館内にいる巡査さんや紙芝居屋さん、駄菓子屋の人にまでちゃんと姓名が

ついているのである。そんなどうでもいいようなことにまでしっかりこだわっているところが凄い。

もちろんラーメン屋には職人魂がギラギラしている。約十軒ほど店があるがみんなが他の店に負けじと競い合って

いるのである。もちろん人気のない店は姿を消していくらしいから毎日が真剣勝負だ。

来ているお客様に美味しいモン食べさせてやる!うまいと言わせてやる!そしてラーメンだけでなく博物館も

面白かったといわせてやる!という一丸となった職人魂の熱気が感じられた。

横浜、ぜひもう一度行ってみたくなった。

そして中華街にももう一度チャンスを与えるつもりで行ってみよう。

でもこんども魂が感じられなかったら二度と行かない。

ずいぶん話が遠回りしたが私たち理容業界はどうだろう。

ほっといてもお客様が来る時代ではない、努力とアイデアと職人魂とお客様に対する感謝の気持ちがないと

間違いなく衰退していく。いや、衰退を始めていると言ってもいいだろう。

もう一度自分に問い直してみよう。本当に自分はお客様に喜んでもらおうとしているか?

仕事をしていて楽しいか?

NOの人はぜひ職人魂を呼び戻してください・・・

少なくとも私は生涯この業を愛し続けます。

楽しくてやりがいがあって、おまけにお客様に喜んでもらえてその上お金までいただける・・・

こんないい仕事そうはないのだ。

                                  村瀬史朗

   

 

 

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