2019 全国大会選手壮行会 村瀬史朗 決意表明時の挨拶

「業界への想い」

選手壮行会で決意表明のとき読んだ手紙が嬉しいことに後でたくさんの人から賞賛を頂きました。
たくさんの方から握手され本当に良かった!感動した!といってもらえ本当に嬉しかったです。

恐縮ですがその文面をここに載せさせていただきます。舞台では所々縮めましたが原文のまま載せます。

僕の業界への想いです。



先日僕は55歳になりました。
この歳になってもこの場に立っているのは、僕が競技からたくさんのことを学びその大切さと尊さを身をもって感じているからだと思っています。
この業界に入った始めから競技はとても身近なものでした。競技をする事が当たり前の時代でした。仕事が終わると研究会や青年部や自主練で部屋に戻るのはいつも11時を回っているのが普通でした。休みの日にはいろんなところへ講習会へ行ったり競技会があったり、本当にそれが当たり前で競技をしない友達はほぼいませんでした。
そこには競い合う事が当然の毎日がありました。だからこそ1番になりたい!上手くなりたい!ライバルに勝ちたい!と日々思って励んでいました。
そして24年前ベーシックアイアニングの時代、全国2回目の挑戦で3位に入り、勝ちたい!という気持ちが加速し次の年に準優勝しました。しかしその次の年はまた1つ戻り3位でした。
悔しかったです。
その後その部門がなくなり一旦競技を離れました。
そして次に10年後好きなクラシカルの部門が復活し、また競技に復帰しその数年後、京都で全国大会があった時にまた代表になれました。
しかし、結果は5位でした。

そしてまた9年の月日が流れ昨年から始まったバーバースタイル、これも僕の好きな基本競技色が強い部門です。競技をしてるのが本当に楽しく昨年2度目の復帰でまた全国に挑みました!
自分ではいい出来だったと思いましたが迫力不足でした。18位でした。
全国の64個の頭が並ぶあの場では細かい仕事よりまず上位10個に選ばれるインパクトなんだと反省しました。
そして今年、そんな反省を自分なりに克服してきたつもりです。

正直若くないので営業後の夜の練習はキツイです。目も悪くなり老眼で見にくいです。

でもその為にまずは体力をつけないと!と一念発起し昨年2月からジムにも通い体重を23キロ落とし筋力も付けました。おかげでギックリ腰もなくなり今となっては20代の時より体は健康体です。体力の心配は無くなりました。

でも競技に欠かせないもの、もちろんモデルさんです。
今年1月娘が成人式を迎え、みやこめっせへ行きました。そこには若者が沢山います!!
待ち時間の間に歩き回り声をかけまくりました。そしてこの中川くんと運命的な出会いをしました。
初めは怪しい金髪オヤジが声をかけてきたので警戒されましたがモデルになってもらうことを取り付け少しずつ仲良くなりました。
そして親子ほど離れた年ですが、今ではなんでも話せるまでとても仲良くなりました!

これも競技のうちなんです!!

競技がなかったらこの出会いもなかったし、こんなに人と仲良くなることもなかったでしょう。
本当に素晴らしい事なんです。
競技を通して技術の進歩があるだけでなく人と分かり合える。そして、競技のライバルは今でも日本全国にいて、みんな今でも仲良くさせてもらっています。競技を通して自分も成長できました。
だから僕は教えるスタッフ達にも競技の良さをいつも言っています。

競技からいろんなことを学んで欲しいと思っています。

なのに最近は競技人口が減っています。
大変嘆かわしい事だと僕は心底心配しています。
どうか競技の良さを師匠は弟子に、講師は生徒に、先輩は後輩に教えてあげて欲しいです。
そして、言うだけでなく自らが競技にまた挑戦してほしいです。

僕はそんな背中をスタッフや業界に見せる為に現役復帰したといってもいいです。
少々おこがましいですが僕はそんな背中を見せたいです。

それはこの業界が大好きだから、この業界を絶対衰退させたくないからです。

僕は理容師であることに誇りを持っています。
こんな素晴らしい仕事はそうはないです!!

そんな想いを暇あるごとに自分の息子にも伝え刷り込みました。そんな息子は修行先の大阪から代表として全国大会へ出ます。僕と同じ部門です。昨年に続き全国で親子対決です。
そして、横にいます河合も僕の弟子です。今年彼は全国初出場です。師弟対決です。
そして、バリエーション部門で全国初出場の宮下も僕の弟子です。彼は昨年僕のモデルもやってくれました。
あと惜しくも全国初出場とはならなかったのですがスタッフの 藤尾アヤカも競技では男性選手をなぎ倒しています。
そして、今年7月より新人岡田ホノカという子も入りましたが彼女は僕のこの業界愛が通じたか、全くの異業種から理容師になってくれました。
彼女もたぶんアヤカの様に頭角を現してきてくれるでしょう!!
僕はもう毎日の仕事が楽しくてたまりません!!
こんな楽しい毎日になったのも競技を頑張ってきたからなんです。
だからこそ競技の炎を消すわけにはいかない!!
その為にはなんでもします!!

本当にそう思っています。

もっともっと競技に挑戦しやすく負担のない環境を整えることが本当に大事だと思っています。

これからの未来、理容師が胸を張っていい仕事だ!なりたい職業ナンバーワンだ!と言ってもらえるようになる事を祈っています。
最後になりましたがこの場を作っていただいた理容組合の先生方には感謝で一杯です。
その感謝を全国優勝という金メダルでお返しできるよう残りの日を精一杯頑張ります。

ありがとうございました。

2019年令和元年 10月7日 東急ホテル

 

 

 

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